相続登記と解体工事の手続きの順番|2024年義務化後の正しいフローを解説

相続登記と解体工事の手続き順番ガイド
Inheritance Registration Before Demolition Guide

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続登記→解体→滅失登記の正しい順番と、相続人が複数いる場合の合意形成の進め方を業界25年の経験から解説します。

目次

相続した建物の解体と相続登記の関係

Chapter 01
01
Inheritance & Registration
義務化と手続きの関係

相続した建物を解体するには相続登記が必要か

親や親族が亡くなり、その所有する建物(家)を解体したいという相談は非常に多いです。解体工事そのものに相続登記は法律上の必須条件ではありませんが、実務上は相続登記を先に済ませておくことが強く推奨されます。

手続きの種類 メリット・デメリット 備考
相続登記の完了 解体工事の依頼・契約が円滑に進む 施主として契約できる立場が明確になる
相続登記なしで解体 「誰が発注者か」が不明確で業者が契約を渋るケースあり トラブル時の責任の所在が不明確になるリスク
建物滅失登記(解体後) 解体完了後1ヵ月以内に申請義務あり 相続登記とは別の手続き

実は、2024年4月から相続登記が義務化されました(不動産登記法改正)。相続を知った日から3年以内に相続登記を完了しないと10万円以下の過料が科されます。解体の有無に関わらず、相続登記は早めに済ませることをお勧めします。

相続登記の手続き・費用・期間の目安

Chapter 02
02
Registration Procedure
費用と期間の全体像

相続登記の手続き・費用・期間の目安

手続き 期間目安 注意点
戸籍収集・相続人確認 2週間〜2ヵ月 被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要。遠方の市区町村への取り寄せが必要なことも
遺産分割協議書の作成 1週間〜数ヵ月 相続人全員の合意・署名・実印が必要。相続人間で揉める場合は長期化
相続登記申請 1〜3週間 法務局(管轄登記所)への申請。登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)が必要
司法書士報酬 5〜20万円 建物・土地の数・相続人数・複雑さによる

相続登記→解体工事→建物滅失登記の順番が最もスムーズです。相続人が複数いる場合は全員の合意が必要なため、早めに司法書士への相談をお勧めします。

相続登記→解体→滅失登記の正しい順番

Chapter 03
03
Step-by-Step Guide
6ステップの手続きフロー

相続登記・解体工事・滅失登記の手続きの順番

順番 手続き 内容
1 被相続人の死亡確認・相続人の確定 戸籍収集・法定相続人の確認
2 遺産分割協議 相続人全員で「誰がこの建物を相続するか」を決める
3 相続登記の申請 司法書士に依頼。2024年4月から義務化
4 解体業者の選定・契約 相続登記完了後に施主として正式に契約
5 解体工事着工・完了 建設リサイクル法の届出も合わせて実施
6 建物滅失登記の申請 解体完了後1ヵ月以内に土地家屋調査士が申請

ステップ2の「遺産分割協議」で合意が得られないと、全ての手続きが止まります。相続人の中に「解体したくない」という意見がある場合は、弁護士を交えた協議が必要になります。

相続人が複数いる場合の注意点

Chapter 04
04
Multiple Heirs Issues
合意形成と放棄の影響

相続人が複数いる場合の注意点

  • 全員の合意が原則:相続した建物の解体は「共有物の変更」にあたるため、相続人全員の同意が必要
  • 連絡が取れない相続人がいる場合:不在者財産管理人の選任(家庭裁判所)が必要になるケースあり
  • 相続放棄者がいる場合:放棄した相続人は相続から除外されるが、管理義務が残る場合がある
  • 遠方の相続人がいる場合:遺産分割協議書への署名は郵送で対応可能(実印・印鑑証明が必要)

相続放棄と解体費用の関係

相続放棄をした場合でも、「その建物に現に居住していた」「現に管理していた」場合は、次の管理者が決まるまで管理義務が課される場合があります(民法940条)。相続放棄後に建物をそのまま放棄すれば管理義務から解放されるわけではない点に注意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Chapter 05
05
Frequently Asked Questions
疑問にお答えします
Q: 相続登記が完了していない建物の解体を業者に依頼できますか?
A: 法律上は可能ですが、業者によっては「所有者が明確でない」として契約を断るケースがあります。また解体後の滅失登記でも相続人全員の関与が必要になります。相続登記を先に済ませた方がトラブルを防げます。
Q: 相続した実家の解体費用は誰が負担するのですか?
A: 原則として建物を相続した人(所有者)が負担します。相続人全員で費用を分担する場合は、遺産分割協議の中で「解体費用は全員で均等負担する」などの合意を書面化しておくことをお勧めします。
Q: 相続登記と解体を同時並行で進めることはできますか?
A: 解体業者の選定・見積もりは相続登記の完了を待たずに進められます。ただし正式な契約・着工は相続登記完了後が安全です。司法書士に「登記完了の見込み日」を確認した上でスケジュールを組んでください。
Q: 相続した建物が空き家のまま放置されています。早く解体した方が良い?
A: 2023年の法改正で「管理不全空き家」も固定資産税の住宅用地特例から除外される可能性があります。また老朽化が進むと解体費用が上がるリスクがあります。一方で相続人間の合意形成に時間がかかるケースも多いため、早めに専門家(司法書士・弁護士)に相談することをお勧めします。
FROM THE FOUNDER
菊池隆弘

菊池 隆弘
解体適正価格チェック 代表
業界歴25年 | 25 YEARS IN THE INDUSTRY

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